SELECT [ALL | DISTINCT | DISTINCTROW ] [HIGH_PRIORITY] [STRAIGHT_JOIN] [SQL_SMALL_RESULT] [SQL_BIG_RESULT] [SQL_BUFFER_RESULT] [SQL_CACHE | SQL_NO_CACHE] [SQL_CALC_FOUND_ROWS]select_expr
[,select_expr
...] [FROMtable_references
[WHEREwhere_condition
] [GROUP BY {col_name
|expr
|position
} [ASC | DESC], ... [WITH ROLLUP]] [HAVINGwhere_condition
] [ORDER BY {col_name
|expr
|position
} [ASC | DESC], ...] [LIMIT {[offset
,]row_count
|row_count
OFFSEToffset
}] [PROCEDUREprocedure_name
(argument_list
)] [INTO OUTFILE 'file_name
' [CHARACTER SETcharset_name
]export_options
| INTO DUMPFILE 'file_name
' | INTOvar_name
[,var_name
]] [FOR UPDATE | LOCK IN SHARE MODE]]
SELECT
は、1
つまたは複数のテーブルから選択した行を検索するために利用され、UNION
ステートメントとサブクエリーを含むことができます。項8.2.8.3. 「UNION
構文」、項8.2.9. 「サブクエリー構文」
を参照してください。
一番良く利用される
SELECT
ステートメントの節はこれらです。
各 select_expr
は、検索したいカラムを指示します。少なくとも
1 つの select_expr
が必要です。
table_references
はどのテーブルから行の検索をするかを指示します。その構文は
項8.2.8.1. 「JOIN
構文」 で説明されています。
WHERE
節が指定された場合は、選択されるために行が満たす必要のある
(1 つまたは複数の)
条件を示します。where_condition
は、選択される行ごとに true
に評価される式です。ステートメントは、もし
WHERE
節がなければすべての行を選択します。
WHERE
節の中では、総計 (要約) 関数以外の、MySQL
がサポートする関数や演算子のすべてを利用することができます。章 7. 関数と演算子
を参照してください。
SELECT
もまた、別のテーブルへの参照無しで算出された行を検索するために利用することができます。
例 :
mysql> SELECT 1 + 1;
-> 2
参照されるテーブルが存在しない状況でのダミーのテーブル名として
DUAL
を指定できます。
mysql> SELECT 1 + 1 FROM DUAL;
-> 2
DUAL
は純粋に、すべての
SELECT
ステートメントが FROM
と、別の節を持津事を要求する人々のために役立つものです。MySQL
は節を無視するかもしれません。MySQL
は、もしテーブルが参照されなければ
FROM DUAL
を要求しません。
通常、利用される節は構文説明に表されるのとまったく同じ順番で与える必要があります。たとえば、HAVING
節は GROUP BY
節の前、ORDER BY
節の後に来なければいけません。例外として、INTO
節は構文の説明に示す位置に置くことも、select_expr
リストの直後に置くこともできる点があります。
select_expr
項のリストは、取り出すカラムを示す選択リストで構成されます。これらの項にはカラムまたは式を指定するか、または
*
の短縮形を使用できます。
修飾されていない 1 つの
*
のみから成る選択リストを、すべてのテーブルのすべてカラムを選択するための短縮形として使用できます。
SELECT * FROM t1 INNER JOIN t2 ...
は、指定されたテーブルのすべてのカラムを選択するための修飾された短縮形として使用できます。
tbl_name
.*
SELECT t1.*, t2.* FROM t1 INNER JOIN t2 ...
修飾されていない
*
を選択リスト内のほかの項目とともに使用することによって、解析エラーが発生する場合があります。この問題を回避するには、修飾された
参照を使用します。
tbl_name
.*
SELECT AVG(score), t1.* FROM t1 ...
次のリストは、その他の
SELECT
節に関する追加情報を示しています。
AS
を使用して、alias_name
select_expr
にエイリアスを指定できます。そのエイリアスは、式のカラム名として利用され、GROUP
BY
、ORDER
BY
、または
HAVING
節内で利用することができます。例 :
SELECT CONCAT(last_name,', ',first_name) AS full_name FROM mytable ORDER BY full_name;
AS
キーワードは、select_expr
をエイリアスを指定するときには任意です。前出の例はこのように書くことが可能でした。
SELECT CONCAT(last_name,', ',first_name) full_name FROM mytable ORDER BY full_name;
しかし、AS
が任意なので、2 つの
select_expr
式の間のカンマを忘れると、わずかなエラーが発生することがあります。MySQL
は 2
番目をエイリアスだと解釈します。たとえば次のステートメントの中で、columnb
はエイリアスとして扱われています。
SELECT columna columnb FROM mytable;
この理由のため、カラムのエイリアスを指定するときには
AS
を明示的に利用する癖をつけておくと良いでしょう。
WHERE
節が実行されるときにはカラム値がまだ決定されていない可能性があるため、WHERE
節でカラムのエイリアスを参照することは許可されていません。Problems with Column Aliases
を参照してください。
FROM
節は、行を取り出す (1 つまたは複数の)
テーブルを示します。もし複数のテーブルに名前をつけると、それは結合を実行するということになります。結合構文の情報に関しては、項8.2.8.1. 「table_references
JOIN
構文」
を参照してください。指定された各テーブルにエイリアスを任意で指定することができます。
tbl_name
[[AS]alias
] [index_hint
]
インデックスヒントを使用すると、クエリー処理中にインデックスを選択する方法に関する情報がオプティマイザに提供されます。これらのヒントを指定するための構文については、項8.2.8.2. 「インデックスヒントの構文」 を参照してください。
代わりの方法として SET
max_seeks_for_key=
を使用して、MySQL
にテーブルスキャンの代わりにキースキャンを強制的に実行させることができます。Server System Variables
を参照してください。
value
データベースを明示的に指定するために、デフォルトデータベース内で
tbl_name
、または
db_name
.tbl_name
としてテーブルを参照することができます。col_name
、tbl_name
.col_name
、または
db_name
.tbl_name
.col_name
としてカラムを参照することができます。参照があいまいにならなければ、カラムの参照に
tbl_name
か
db_name
.tbl_name
接頭辞を指定する必要はありません。さらに明確なカラム参照フォームを必要とする例に関しては、項5.2.1. 「識別子の修飾語」
を参照してください。
または
tbl_name
AS
alias_name
tbl_name alias_name
を使用して、テーブル参照にエイリアスを指定できます。
SELECT t1.name, t2.salary FROM employee AS t1, info AS t2 WHERE t1.name = t2.name; SELECT t1.name, t2.salary FROM employee t1, info t2 WHERE t1.name = t2.name;
カラム名、カラムのエイリアス、またはカラム位置を使用して、出力のために選択されたカラムを
ORDER BY
および
GROUP BY
節で参照できます。カラム位置は整数で、1
から始まります。
SELECT college, region, seed FROM tournament ORDER BY region, seed; SELECT college, region AS r, seed AS s FROM tournament ORDER BY r, s; SELECT college, region, seed FROM tournament ORDER BY 2, 3;
逆の順番にソートするためには、ソートに利用している
ORDER BY
節の中で、カラム名に
DESC
(降順)
キーワードを追加してください。デフォルトは昇順です。これは
ASC
キ-ワードを利用して明示的に指定することができます。
ORDER BY
がサブクエリー内に指定され、外側のクエリーにも指定される場合は、もっとも外側の
ORDER BY
が優先されます。たとえば、次のステートメントの結果は昇順ではなく、降順でソートされます。
(SELECT ... ORDER BY a) ORDER BY a DESC;
カラム位置の利用は、構文が SQL スタンダードから削除されたために今後廃止される可能性があります。
GROUP BY
を使用すると、出力行は、同じカラムに対して
ORDER BY
を指定したかのように
GROUP BY
カラムに従ってソートされます。GROUP
BY
が生成するソートのオーバーヘッドを防ぐには、ORDER
BY NULL
を追加してください。
SELECT a, COUNT(b) FROM test_table GROUP BY a ORDER BY NULL;
MySQL では GROUP BY
節が拡張され、この節で指定されているカラムのあとに
ASC
と
DESC
も指定できるようになっています。
SELECT a, COUNT(b) FROM test_table GROUP BY a DESC;
MySQL は、GROUP BY
節内で言及されていないフィールドの選択を許可するために、GROUP
BY
の利用を拡張します。もしクエリーから期待通りの結果を得ることができないのであれば、項7.12. 「GROUP BY
節との関数および修飾子の使用」
内の GROUP BY
の説明を読んでください。
GROUP BY
は
WITH ROLLUP
修飾子を許容します。項7.12.2. 「GROUP BY
修飾子」
を参照してください。
HAVING
節は、ほぼ最後
(項目がクライアントに送信される直前)
に最適化なしで適用されます。(LIMIT
は HAVING
のあとに適用されます。)
SQL スタンダードは
HAVING
が
GROUP BY
節の中、または総計関数の中で利用されるカラムだけを参照することを要求します。しかし、MySQL
はこの動作に拡張子をサポートし、HAVING
が SELECT
リストの中のカラムと外部のサブクエリーの中のカラムを参照することを許容します。
もし HAVING
節があいまいなカラムを参照すると、警告が発生します。次のステートメントの中では、エイリアスとカラム名の両方として利用されているため
col2
はあいまいです。
SELECT COUNT(col1) AS col2 FROM t GROUP BY col2 HAVING col2 = 2;
スタンダード SQL
の動作には優先権が与えられるので、もし
HAVING
カラム名が
GROUP BY
と、出力カラムリスト内のエイリアスカラムの両方で利用されると、優先権は
GROUP BY
カラム内のカラムに与えられます。
HAVING
は、WHERE
節内になければいけない項目に対しては利用しないでください。たとえば、次のようなものを書かないでください。
SELECTcol_name
FROMtbl_name
HAVINGcol_name
> 0;
代わりにこのように書いてください。
SELECTcol_name
FROMtbl_name
WHEREcol_name
> 0;
HAVING
節は
WHERE
節が参照できない総計関数を参照することができます。
SELECT user, MAX(salary) FROM users GROUP BY user HAVING MAX(salary) > 10;
(これは MySQL の古いバージョンでは機能しませんでした)。
MySQL
は複製カラム名を許容します。これは、同じ名前の
select_expr
が複数存在できるということです。これは標準
SQL へのエクステンションです。MySQL はまた
GROUP BY
と
HAVING
が
select_expr
値を参照することを許容するので、この結果はあいまいになり得ます。
SELECT 12 AS a, a FROM t GROUP BY a;
このステートメントの中では、両方のカラムが
a
という名前を持ちます。グループ分けに正しいカラムを利用することを保障するために、各
select_expr
に異なる名前を利用してください。
MySQL は select_expr
値の中、そして
FROM
節内のテーブルカラムの中を検索することで
ORDER BY
節内の無条件のカラムやエイリアス参照を解決します。GROUP
BY
か HAVING
節に対しては、select_expr
値内を検索する前に
FROM
節を検索します。GROUP
BY
と HAVING
に対しては、ORDER
BY
に対するのと同じ規則を利用した
MySQL 5.0 以前の動作とは異なります)。
LIMIT
節を使用すると、SELECT
ステートメントによって返される行数を制約できます。LIMIT
は 1 つまたは 2
つの数値引数を取り、この両方が負でない整定数である必要があります
(準備済みステートメントを使用している場合を除く)。
その 2 つの引数のうち、最初のものは返される最初の行のオフセットを指定し、2 つめのものは返される行の最高数を指定します。冒頭の行のオフセットは 0 です。(1 ではありません)
SELECT * FROM tbl LIMIT 5,10; # Retrieve rows 6-15
すべての行を一定のオフセットから結果セットの最後まで検索するには、2 つめのパラメータに大きい数字を利用することができます。このステートメントは 96 番目の行から最後まですべての行を検索します。
SELECT * FROM tbl LIMIT 95,18446744073709551615;
1 つの引数で、その値は結果セットの最初から返される行数を指定します。
SELECT * FROM tbl LIMIT 5; # Retrieve first 5 rows
つまり、LIMIT
は
row_count
LIMIT 0,
と同等です。
row_count
準備済みステートメントには、プレースホルダを利用することができます。次のステートメントは
tbl
テーブルから行を 1 つ返します。
SET @a=1; PREPARE STMT FROM 'SELECT * FROM tbl LIMIT ?'; EXECUTE STMT USING @a;
次のステートメントは
tbl
テーブルから 2
行目から 6 行目を返します。
SET @skip=1; SET @numrows=5; PREPARE STMT FROM 'SELECT * FROM tbl LIMIT ?, ?'; EXECUTE STMT USING @skip, @numrows;
PostgreSQL との互換性のために、MySQL は
LIMIT
構文もサポートしています。
row_count
OFFSET
offset
LIMIT
がサブクエリー内に指定され、外側のクエリーでも指定される場合は、もっとも外側の
LIMIT
が優先されます。たとえば、次のステートメントは、1
行ではなく 2 行を生成します。
(SELECT ... LIMIT 1) LIMIT 2;
PROCEDURE
節は、結果セット内のデータを処理する必要のあるプロシージャーを指定します。1
つの例として、PROCEDURE ANALYSE
を参照してください。ここには、テーブルサイズの削減に役立つ最適なカラムデータ型についてのヒントを得るために使用できるプロシージャー
ANALYSE
が説明されています。
SELECT
の
SELECT ... INTO OUTFILE
'
形式は、選択された行をファイルに書き込みます。このファイルはサーバーホスト上で作成されるため、この構文を使用するための
file_name
'FILE
権限を持っている必要があります。file_name
を既存のファイルにすることはできません。これにより、特に、/etc/passwd
やデータベーステーブルなどのファイルが破壊されることが回避されます。MySQL
5.1.6
では、character_set_filesystem
システム変数によってファイル名の解釈が制御されます。
SELECT
... INTO OUTFILE
ステートメントはそもそも、サーバーマシン上のテキストファイルにテーブルをすばやく捨てさせることを意図しています。もしサーバーホストではなく、クライアントホスト上に結果ファイルを作成したければ、SELECT
... INTO OUTFILE
を利用することはできません。その場合は、代わりに
mysql -e "SELECT ..." >
などのコマンドを使用してクライアントホスト上でファイルを生成するようにしてください。
file_name
SELECT
... INTO OUTFILE
は、LOAD
DATA INFILE
を補完するものです。カラム値は、CHARACTER
SET
節 (MySQL 5.1.38 で使用可能)
で指定されたキャラクタセットに変換されて書き込まれます。5.1.38
より前のバージョンでは、またはこのような節が存在しない場合、値は
binary
キャラクタセットを使用してダンプされます。事実上、キャラクタセットの変換は実行されません。テーブルに複数のキャラクタセットのカラムが含まれている場合は、出力データファイルにも同様に含まれるため、ファイルを正しく再ロードできない可能性があります。
このステートメントの
export_options
部分の構文は、LOAD
DATA INFILE
ステートメントで使用されるのと同じ
FIELDS
および
LINES
節で構成されています。
FIELDS ESCAPED BY
は、特別な文字をどのように書き込むのかをコントロールします。もし
FIELDS ESCAPED BY
文字が空でなければ、それは出力上で次の文字に先行する接頭辞として利用されます。
FIELDS ESCAPED BY
文字
FIELDS [OPTIONALLY] ENCLOSED
BY
文字
FIELDS TERMINATED BY
と LINES TERMINATED
BY
値の最初の文字
ASCII NUL
(ゼロの値のバイト。エスケープ文字のあとに実際に書き込まれているのは、ゼロの値のバイトではなく
ASCII
「0
」)
FIELDS TERMINATED
BY
、ENCLOSED
BY
、ESCAPED
BY
、または LINES
TERMINATED BY
文字は、ファイルを確実に読み返すことができるように、エスケープする必要があります。ASCII
NUL
は、一部のページャーで見やすくなるようにエスケープされます。
結果のファイルは SQL 構文と一致する必要がないので、ほかのものは拡張される必要はありません。
もし FIELDS ESCAPED BY
文字が空なら、文字が拡張されることはなく、NULL
は \N
ではなく
NULL
として出力されます。特に、もしデータ中のにフィールド値が先ほどのリストの中の文字を含んでいる場合は、空の拡張文字を指定するのは良い考えではないかも知れません。
ここに、多くのプログラムで利用されるカンマで区切られた値 (CSV) のフォーマットのファイルを生成する例があります。
SELECT a,b,a+b INTO OUTFILE '/tmp/result.txt' FIELDS TERMINATED BY ',' OPTIONALLY ENCLOSED BY '"' LINES TERMINATED BY '\n' FROM test_table;
FIELDS
および
LINES
節のデフォルト値や許可される値などの詳細については、項8.2.6. 「LOAD DATA
INFILE
構文」
を参照してください。
INTO OUTFILE
の代わりに INTO
DUMPFILE
を使用する場合、MySQL
は、カラムまたは行の終了処理やエスケープ処理を行わずに、ファイルに
1
行のみを書き込みます。これは、もしファイルの中に
BLOB
値を格納したいのであれば有効です。
INTO OUTFILE
または
INTO DUMPFILE
によって作成されたファイルはすべて、サーバーホスト上のすべてのユーザーから書き込み可能です。この理由は、MySQL
サーバーは、それを起動させているアカウントの持ち主であるユーザー以外によって所有されているファイルを作成することはできないということです。(これらの理由のために、mysqld
を root
としては決して実行しないでください。)
したがって、このファイルは、その内容を操作できるようにすべてのユーザーから書き込み可能である必要があります。
secure_file_priv
システム変数が空以外のディレクトリ名に設定されている場合、書き込まれるファイルは、そのディレクトリに存在する必要があります。
INTO
節には、1
つ以上の変数のリストを指定できます。ここには、ユーザー定義変数、またはストアドファンクションまたはプロシージャー本体内のパラメータまたはローカル変数を指定できます
(項8.8.3.3. 「SELECT ... INTO
ステートメント」
を参照)。選択された値は変数に割り当てられます。変数の数はカラム数と一致する必要があります。クエリーは、単一行を返すようにしてください。クエリーが行を返さない場合は、エラーコード
1329 で警告が発生し (No
data
)、変数値は変更されずに残ります。クエリーが複数の行を返す場合は、エラー
1172 が発生します (Result
consisted of more than one
row
)。ステートメントで複数の行を取り出すことができる場合は、LIMIT
1
を使用して結果セットを単一行に制限できます。
イベントスケジューラによって実行されるイベントの一部として発生するこのようなステートメントのコンテキストでは、診断メッセージ (エラーだけでなく、警告も) がエラーログに書き込まれます。また、Windows では、アプリケーションイベントログに書き込まれます。追加情報については Event Scheduler Status を参照してください。
この節の最初の
SELECT
構文の説明で、ステートメントの終わりの方の
INTO
節が表されています。また、select_expr
リストの直後に
INTO
を使用することもできます。
入れ子の
SELECT
は結果を外側のコンテキスト返す必要があるため、このような
SELECT
では
INTO
節を使用しないようにしてください。
ページまたは行のロックを使用するストレージエンジンで
FOR UPDATE
を使用する場合、クエリーによって検証される行は、現在のトランザクションの最後まで書き込みがロックされます。LOCK
IN SHARE MODE
を利用すると、ほかのトランザクションが検査された行を読むことは許容しますが、それらを更新や削除することは許容しない共通ロックを設定します。項9.8.3. 「SELECT ... FOR
UPDATE
と
SELECT
... LOCK IN SHARE MODE
ロック読み取り」
を参照してください。
SELECT
キーワードのあとで、ステートメントの操作に影響を与える幾つかのオプションを利用することができます。
ALL
、DISTINCT
、そして
DISTINCTROW
オプションは、複製行が返されるべきかどうかを指定します。もしこれらのオプションが何も与えられなければ、デフォルトは
ALL
です。(すべての一致する行が返されます)。DISTINCT
と DISTINCTROW
は同義語で、結果セットから複製行を削除する指示を出します。
HIGH_PRIORITY
、STRAIGHT_JOIN
、そして
SQL_
で始まるオプションは、スタンダード SQL の
MySQL 拡張子です。
HIGH_PRIORITY
は
SELECT
に、テーブルを更新するステートメントより高い優先度を与えます。これは、スピードがとても速く、一度に実行されなければいけないクエリーに対してだけ利用してください。読み込みのためにテーブルがロックされている間に発行された
SELECT HIGH_PRIORITY
クエリーは、テーブルがフリーになるのを待っている更新ステートメントがあったとしても実行します。これは、テーブルレベルロックのみを使用するストレージエンジン
(MyISAM
、MEMORY
、MERGE
)
にのみ影響を与えます。
HIGH_PRIORITY
は、UNION
の一部である
SELECT
ステートメントと一緒には利用できません。
STRAIGHT_JOIN
は、オプティマイザに、テーブルを
FROM
節にリストされている順序で強制的に結合させます。オプティマイザがテーブルを最適でない順序で結合する場合は、これを使用してクエリーを高速化できます。STRAIGHT_JOIN
はまた table_references
リストの中でも利用できます。項8.2.8.1. 「JOIN
構文」
を参照してください。
STRAIGHT_JOIN
は、オプティマイザが
const
テーブルまたは
system
テーブルとして処理するテーブルには適用されません。このようなテーブルは単一行を生成し、クエリー実行の最適化フェーズ中に読み取られます。また、そのカラムへの参照は、クエリー実行が続行される前に適切なカラム値で置き換えられます。これらのテーブルは、EXPLAIN
によって表示されるクエリープランに最初に表示されます。詳しくは項4.2.1. 「EXPLAIN
を使用して、クエリーを最適化する」を参照してください。この例外は、外部結合の
NULL
で補完された側で使用されている
const
テーブルまたは
system
テーブル (つまり、LEFT
JOIN
の右側のテーブルまたは
RIGHT JOIN
の左側のテーブル)
には適用されない可能性があります。
SQL_BIG_RESULT
を
GROUP BY
または
DISTINCT
とともに使用すると、結果セットに多数の行が含まれていることをオプティマイザに指示できます。この場合、MySQL
は必要であればディスクベースの一時テーブルを直接利用し、GROUP
BY
要素上のキーを持つ一時テーブルを利用してソートします。
SQL_BUFFER_RESULT
は、結果を強制的に一時テーブルに配置します。これは、MySQL
がテーブルロックを早く解除するのを助け、クライアントに結果セットを送るのに時間がかかる場合に補助します。このオプションは、サブクエリーまたは後続の
UNION
ではなく、トップレベルの
SELECT
ステートメントでのみ使用できます。
SQL_SMALL_RESULT
を
GROUP BY
または
DISTINCT
とともに使用すると、結果セットが小さいことをオプティマイザに指示できます。この場合、MySQL
は結果テーブルを格納するため、ソート機能を利用する代わりに高速の一時テーブルを利用します。通常これは必要ではないでしょう。
SQL_CALC_FOUND_ROWS
は
MySQL に、LIMIT
節をすべて無視して、結果セットに含まれる数行を計算するよう指示します。行数は
SELECT FOUND_ROWS()
を利用して検索することができます。項7.11.3. 「情報関数」
を参照してください。
SQL_CACHE
および
SQL_NO_CACHE
オプションは、クエリーキャッシュ内のクエリー結果のキャッシュに影響を与えます
(項4.5.5. 「MySQL クエリキャッシュ」
を参照)。SQL_CACHE
は MySQL
に、結果がキャッシュ可能であり、query_cache_type
システム変数の値が
2
または
DEMAND
である場合は、結果をクエリーキャッシュに格納するよう指示します。SQL_NO_CACHE
は MySQL
に、結果をクエリーキャッシュに格納しないよう指示します。UNION
、サブクエリー、またはビューを使用するクエリーの場合は、次の規則が適用されます。
SQL_NO_CACHE
は、クエリー内の任意の
SELECT
に現れる場合に適用されます。
キャッシュ可能なクエリーについては、SQL_CACHE
は、クエリーの最初の
SELECT
、またはクエリーによって参照されるビューの最初の
SELECT
に現れる場合に適用されます。