もし ON DUPLICATE KEY UPDATE を指定し、UNIQUE インデックスか PRIMARY KEY 内で複製値を引き起こす行が挿入されると、古い行の UPDATE が実行されます。たとえば、もしカラム a が UNIQUE として宣言され、それが値 1 を含んでいたら、次の 2 つのステートメントは同一効果を持ちます。

INSERT INTO table (a,b,c) VALUES (1,2,3)
  ON DUPLICATE KEY UPDATE c=c+1;

UPDATE table SET c=c+1 WHERE a=1;

ON DUPLICATE KEY UPDATE の場合、行ごとの影響を受けた行の値は、行が新しい行として挿入された場合は 1、既存の行が更新された場合は 2 です。

もしカラム b も固有であれば、INSERT は代わりにこの UPDATE ステートメントと同等になります。

UPDATE table SET c=c+1 WHERE a=1 OR b=2 LIMIT 1;

もし a=1 OR b=2 がいくつかの行とマッチすれば、1 つの 行だけが更新されます。一般に、一意のインデックスが複数含まれているテーブルに対して ON DUPLICATE KEY UPDATE 節を使用することは避けるようにしてください。

ON DUPLICATE KEY UPDATE 節には、コンマで区切られた、複数のカラム割り当てを含めることができます。

UPDATE 節で VALUES(col_name) 関数を使用して、INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATE ステートメントの INSERT 部分からカラム値を参照できます。つまり、ON DUPLICATE KEY UPDATE 節にある VALUES(col_name) は、重複キーの競合が発生していない場合に挿入される col_name の値を参照します。この関数は複数行のインサートにおいて特に便利です。VALUES() 関数は、INSERT ... UPDATE ステートメントの中でだけ意味を持ち、そうでなければ NULL を返します。例 :

INSERT INTO table (a,b,c) VALUES (1,2,3),(4,5,6)
  ON DUPLICATE KEY UPDATE c=VALUES(a)+VALUES(b);

そのステートメントは次の 2 つと同一です。

INSERT INTO table (a,b,c) VALUES (1,2,3)
  ON DUPLICATE KEY UPDATE c=3;
INSERT INTO table (a,b,c) VALUES (4,5,6)
  ON DUPLICATE KEY UPDATE c=9;

テーブルに AUTO_INCREMENT カラムが含まれていて、INSERT ... ON DUPLICATE KEY UPDATE によって行が挿入された場合、LAST_INSERT_ID() 関数は AUTO_INCREMENT 値を返します。このステートメントによって代わりに行が更新された場合、MySQL 5.1.12 より前のバージョンでは LAST_INSERT_ID() は意味を持ちません。ただし、LAST_INSERT_ID(expr) を使用して、これを回避できます。id が AUTO_INCREMENT カラムだと仮定してください。LAST_INSERT_ID() が更新に意味を持つようにするには、次のように行を挿入してください。

INSERT INTO table (a,b,c) VALUES (1,2,3)
  ON DUPLICATE KEY UPDATE id=LAST_INSERT_ID(id), c=3;

ON DUPLICATE KEY UPDATE を利用するときは DELAYED オプションは無視されます。